近代日本のレイシズム : 民衆の中国(人)観を例に "Pigs" and "Pigtail" : Japanese People's View of Chinese in the Modern Age

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抄録

近代の日本人のほとんどは、まぎれもないレイシストであった。それは、中国(人)観が証明している。江戸期には、満州族の風俗である「弁髪」をもって、清国人を「芥子坊主」「ぱっち坊主」と呼んでいたが、そこに侮蔑的な意味合いは含まれていなかった。それが、江戸中期以降に少しずつ変化し、アヘン戦争などで中国が列強の前に敗退すると、知識人の中に中国を反面教師とする中国観が成立してくる。そして、明治に入るとすぐに「チャンチャン坊主」という侮蔑的な呼称が使われはじめ、「豚尾漢」などの呼称とともに都市部・居留地から地方へと徐々に広まっていった。その過程は、同時に、清国人を「豚」の漫画や絵で視覚化し、蔑視の対象にしていく過程でもあった。しかし、日清戦争までは、こうした中国人観が地方の民衆の中にまで浸透していたとはいえず、侮れない強国とする認識も存在していたが、戦勝により、国民的レベルで侮蔑的な中国人観が定着していった。

収録刊行物

  • 文学部論叢

    文学部論叢 78, 43-65, 2003-03-20

    熊本大学

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    110000949939
  • NII書誌ID(NCID)
    AN0022154X
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    Departmental Bulletin Paper
  • 雑誌種別
    大学紀要
  • ISSN
    03887073
  • NDL 記事登録ID
    6524724
  • NDL 雑誌分類
    ZV1(一般学術誌--一般学術誌・大学紀要)
  • NDL 請求記号
    Z22-1115
  • データ提供元
    NDL  NII-ELS  IR 
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