ビルマにおけるウェイザー(超能力者)信仰の一考察 : ガインにとってのローキーとローコゥタラ

書誌事項

タイトル別名
  • A consideration of Weikza Belief in Burma : the meaning of lawki and lawkoktara for the gaing
  • ビルマにおけるウェイザー(超能力者)信仰の一考察--ガインにとってのロッキーとローコゥタラ
  • ビルマ ニ オケル ウェイザー チョウ ノウ リョクシャ シンコウ ノ イチコウ

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抄録

従来のビルマの宗教研究は仏教と精霊信仰など民間信仰との共存をいかに理解するかを主に議論してきたが,そのなかでウェイザー信仰は断片的に触れられるに留まってきた。ウェイザーとは錬金術や呪薬などの術(ローキー・ピンニャー)や仏教的修行を通じて超能力を獲得した存在であると信じられている。本稿はウェイザーになることを目的に結成されたガインの調査をもとに,内部の師弟関係や世界観,儀礼などを記述する。更にウェイザーの理解や伝授されている術はガインによって異なることを導きだし,ガインの人々が自らを語る際にローキーとローコゥタラという一対の概念を用いることに着目する。それぞれのガインが自ら特徴をいかに強調するかを分析することで,それぞれの主観に基づく「仏教」のあり方がローコゥタラという尺度を通じて複数生成している状況を指摘し,多様なガインの展開を静態的なモデルに収斂させることなく把握する試みを行う。

収録刊行物

  • 民族學研究

    民族學研究 61 (2), 215-242, 1996

    日本文化人類学会

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