思春期・青年期の心身症およびその周辺疾患の発症に及ぼす家族機能と養育環境の影響

書誌事項

タイトル別名
  • The Influence of Family Function and Bringing-up Environment on the Onset of Psychosomatic and Psychosomatic-related Diseases in Adolescence
  • シシュンキ セイネンキ ノ シンシンショウ オヨビ ソノ シュウヘン シッカン ノ ハッショウ ニ オヨボス カゾク キノウ ト ヨウイク カンキョウ ノ エイキョウ

この論文をさがす

抄録

思春期・青年期の心身症およびその周辺疾患の発症に及ぼす家族の健康,養育環境,養育方法,家族機能と被暴力体験の影響について調査した.対象は,心療内科を受診した患者195名(平均年齢21歳)と健常大学生415名(平均年齢20歳)である.調査は,われわれが作成した自己記入式質問紙を用いて実施し,ロジスティック解析にて検討した.その結果,病気発症に有意な影響を及ぼす因子として,「親から身体的暴力を受けた」,「父親から母親に身体的暴力があった」,「家庭は安全な場所ではなかった」,「甘やかされて育った」,「片親が死亡した」,「幼小児期に可愛がられた記憶がない」の6項目が抽出された.これらの因子を2項目もっている例では,まったくもっていない例に比べてオッズ比で7.9倍,3項目以上もっている例では21.1倍の病気発症の危険因子となった.以上より,心身症およびその周辺疾患の治療では,家庭環境や家族機能について十分な配慮とアプローチが必要である.また,病気発症の予防に健全な家庭環境と良好な家族機能の回復が重要であることがわかった.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 44 (5), 369-378, 2004

    一般社団法人 日本心身医学会

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (23)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ