日本産のナメクジハバチ属(新称)および同属の幼虫の特徴

書誌事項

タイトル別名
  • The Japanese Sawflies of the Genus <i>Caliroa</i>, with Description of its Larval Character
  • ニホンサン ノ ナメクジハバチゾク シンショウ オヨビ ドウゾク ノ ヨウチュウ ノ トクチョウ エイブン

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抄録

Caliroa属(ナメクジハバチ属)のハバチは,わが国では今日までに4種が知られていたが,飼育によって3新種を得たので,その記載とともに7種の検索を記した。本属の幼虫は,前脚の前方に頸腺が発達し(図13),ここより粘液を分泌し,生時は,体全体粘液に覆われナメクジ状である。また,その食痕は図14に示したように,表皮を残した特徴のあるものである。多くは7∼9月に少なくとも2世代を繰り返す。成虫の検索は次のようである。<br>1. 翅は透明;触角第3節は第4,5節の合長よりやや短い。(図7);コナラ・クヌギ等を食害する。………C. oishiiコナラナメクジハバチ(新称)<br>―翅の基部は曇っている。………2<br>2. 後脚は全体黒色;オウトウの害虫として有名。………C. cerasiオウトウナメクジハバチ(改称)(旧和名ウチイケオウトウハバチ)<br>―後脚には白色または褐色部をもつ………3<br>3. 触角第3節は第4,5節合長より明らかに短い…4<br>―触角第3節は第4,5節合長よりわずかに短い…5<br>4. 頭楯は前縁彎入する;♂は後翅に縁脈あり;食草不明……C. annulipesハクサンナメクジハバチ(新称)<br>―頭楯前縁は裁断状;♂は後翅に縁脈なし;触角,図10;食草はナツハゼ………C. vacciniナツハゼナメクジハバチ(新種)<br>5. 後腿節は汚黄色または褐色;触角,図11;有名なモモの害虫………C. matsumotonisモモナメクジハバチ(改称)(旧和名モモハバチ)<br>―後腿節はほとんど黒色………6<br>6. 後脛節と〓節は大部分褐色;触角,図9;小型種;ケヤキの害虫………C. zelkovaケヤキナメクジハバチ(新種)<br>―後脛節と〓節は大部分黄色;触角,図8;大型種6mm以上;ミツバウツギを食す………C. staphyleaミツバウツギナメクジハバチ(新種)

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