パニック障害患者と心循環器系機能(不安と抑うつの基礎と臨床)(第37回日本心身医学会総会)

書誌事項

タイトル別名
  • Panic Disorder and the Cardiac Function(Bases and Clinical Practice of Anxiety and Depression)
  • パニック障害患者と心循環器系機能
  • パニック ショウガイ カンジャ ト シン ジュンカンキケイ キノウ

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抄録

心悸亢進や胸痛などの心循環器系の症状は, パニック発作の症状として頻度が高い。胸痛を訴えるが, 冠動脈写が正常な患者にパニック障害(PD)が高率に見出される。僧帽弁逸脱(MVP)では, パニック障害でみられるものときわめて類似した症状が訴えられる。断層心エコーを用い, 対照群をおいた研究では, われわれの研究をはじめとしていずれもPD患者にMVPを高率に認めている。PD患者では, 安静臥位の心拍数が健常者より多い傾向があり, 立位時には有意に多かった。臥位での心電図R-R間隔変動係数はPD患者の方が小さかった。この変動は, MVPを有するPD患者で, MVPのない患者より有意に小さかった。PDには交感神経系の覚醒亢進のみならず, 副交感神経系の緊張低下も存在し, 特にMVPを有する場合に高度なことが示唆された。

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 37 (3), 215-222, 1997

    一般社団法人 日本心身医学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (33)*注記

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