相互の期待効用最大化としてのナッシュ交渉解 THE NASH BARGAINING SOLUTION AS MUTUAL EXPECTED-UTILITY MAXIMIZATION

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Abstract

二人のプレイヤーからなる交渉問題のナッシュ解を導く方法はいくつも知られているが、ここでは二人のプレイヤーが互いに相手のとる行動に確率を付与して期待利得を最大化するというベイズ的な意思決定問題の最適解として導くことを試みる。AnbarとKalaiによって得られた結果の一つは、もし二人が相手の行動を一様分布に従う確率変数とみなすならば二人の最適解はナッシュ解に一致するということである。しかし、何故、互いに一様分布を採用するのかという問にたいしては、モデルの中からは答えは得られていない。本論文では、相手の行動にたいする信念(belief)を形成するメカニズムを考え、これに三つの条件を課すことによって、特定のクラスの確率分布だけが形成されることを示す。第一の条件は、互いの信念はそれによってパレート最適な結果が得られるような分布でなければならないことを要求するものである。第二の条件は、そのパレート最適な結果は、両者のその信念からみて、この交渉の結果としてもっともらしいものであるべきことを述べる条件である。第三の条件は、形成された信念はパレート・フロンティアの軽微な変化には鈍感であることを述べるもので、これは、いかなる変化にたいしても鈍感であるとしたAnbarとKalaiの取扱いよりはるかに現実的な仮定である。以上の三つの条件をみたす両者の信念は、ナッシュ解の近傍で線形になるような累積確率分布であり、しかも最適解はナッシュ解に一致するというのがわれわれの結論である。

The Nash bargaining problem is considered as a one-shot decision problem by two expected-utility maximizers with beliefs in the form of probability distributions over the opponent's strategy choices. Assuming three conditions as axioms on the formation of beliefs of both players, we derive the Nash solution as the optimal decisions of the mutual maximization problems.

Journal

  • Journal of the Operations Research Society of Japan

    Journal of the Operations Research Society of Japan 31(3), 322-334, 1988

    The Operations Research Society of Japan

Cited by:  1

Codes

  • NII Article ID (NAID)
    110001184248
  • Text Lang
    ENG
  • Article Type
    Journal Article
  • ISSN
    0453-4514
  • Data Source
    CJPref  NII-ELS  J-STAGE 
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