書誌事項
- タイトル別名
-
- Fas gene polymorphism affecting Fas expression levels and autoimmune disease
- Fas イデンシ タケイ ニ ヨル Fas ハツゲン セイギョ ト ジコ メンエキ シッカン
この論文をさがす
抄録
目的: 細胞のアポトーシスを司るFas分子の欠損は自己抗体産生を伴う全身性エリテマトーデス (SLE) 様の病態を惹起し得ることがMRL/lprマウスの解析で示されている. われわれは以前に, 代表的SLE自然発症モデル系である (NZB×NZW) F1マウスを用いた解析で, 自己抗体産生に関わるB1細胞のFas発現能が低く, Fasを介したアポトーシスに抵抗性であることを見出している. (NZB×NZW) F1には, MRL/lprに見られるようなFas遺伝子異常によるFas分子欠損は認められないが, Fas遺伝子多型によるFas発現レベルの量的変化が関与する可能性を考慮し, この点を解析した. 方法と結果: 1) Fas遺伝子プロモーター領域を含む5'flanking regionをNZBおよびNZWで比較した結果, 9個のsingle nucleotide polymorphism (SNP) が認められた. 2) Fas発現レベルを調べた結果, NZBマウスではT細胞・B細胞いずれにおいてもNZWに比較して低く, これに対応してNZBではNZWに比較してFasを介したアポトーシスに感受性が低いことが判明した. 3) NZB型Fas遺伝子領域をNZWマウスに導入したintervalcongenicマウスによる解析で, Fas遺伝子自身がFas発現レベルを制御していると推定された. 4) (NZB×NZW) F1×NZW退交配マウスを用いた解析で, NZB型Fas遺伝子多型が末梢血B1細胞比率の増加および血中IgG抗DNA抗体価と相関した. 結論: (NZB×NZW) F1マウスにおいては, NZB型の、Fas遺伝子制御領域多型がSLEの一感受性遺伝子として機能している可能性が示された.
収録刊行物
-
- 順天堂医学
-
順天堂医学 48 (3), 364-374, 2002
順天堂医学会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282680721757568
-
- NII論文ID
- 130004711757
- 110001219165
-
- NII書誌ID
- AN00113194
-
- ISSN
- 21882134
- 00226769
-
- NDL書誌ID
- 025098938
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可