「シンガー事件」と反生命倫理学運動(第 5 回学術大会発表原著)
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- 土屋 貴志
- 大阪市立大学助手
書誌事項
- タイトル別名
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- The Singer-Affair and the Anti-Bioethics Movement
抄録
オーストラリアの哲学者ピーター・シンガーは選好功利主義に立って、重い障害をもつ新生児の安楽死を擁護するが、この主張はドイツ語圏の人々に、ナチスの「安楽死」の苦い記憶を想起させることになった。シンガーを招いたシンポジウムは障害者を中心とする広汎な抗議行動のために軒並み中止に追い込まれ、ドイツのマスコミはシンガーを「ファシスト」呼ばわりした。攻撃はさらに生命倫理学や応用倫理学、果ては分析哲学全般にまで飛び火し、これらの分野の研究者は学問的生命すら危ぶまれている。日本国内にも、バイオエシックスを弱者を切り捨て生命操作を押し進めるためのイデオロギーとみなす見方が一部にある。「シンガー事件」は、バイオエシックスの本質と意義を再考し、今後の日本の生命倫理学のあり方を考える上で、看過できない重大な問題を提起している。
収録刊行物
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- 生命倫理
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生命倫理 4 (2), 125-129, 1994
日本生命倫理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204483871488
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- NII論文ID
- 110001238437
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- ISSN
- 2189695X
- 13434063
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可