塩化メチル水銀のラット脳クレアチンキナーゼ活性に及ぼす影響

  • 松岡 雅人
    産業医科大学産業生態科学研究所 環境中毒学教室
  • 井上 尚英
    産業医科大学産業生態科学研究所 環境中毒学教室
  • 伊規須 英輝
    産業医科大学産業生態科学研究所 環境中毒学教室

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of Methylmercury Chloride on Creatine Kinase Activity in the Rat Brain

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抄録

ウィスター系雄性ラットに塩化メチル水銀を10mg/kg body weight/day, 7日間連続皮下投与し, 全てのラットで後肢の交叉現象を認めた投与開始後15日目に脳内酵素活性について検討した. creatine kinase(CK)活性は大脳皮質では, 前部, 中部, 後部とも軽度抑制された. aspartate aminotransferaseとlactate dehydrogenase活性もCK活性の抑制とほぼ同程度に大脳皮質で抑制された. 線条体と小脳では, 明らかな酵素活性の抑制は認めなかった. 塩化メチル水銀は, 明らかな脳内CK活性の抑制をきたす酸化エチレンやアクリルアミドとは, 中枢神経障害の発現機序において異なると考えられた.

収録刊行物

  • Journal of UOEH

    Journal of UOEH 14 (1), 77-81, 1992

    学校法人 産業医科大学

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