腹腔鏡が診断および治療に有効であった腸管嚢胞様気腫症の1例

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  • The Use of Underwent Laparoscopy for Diagnosis and Treatment of Pneumatosis Cystoides Intestinalis : A Case Report

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抄録

76歳の男性.慢性肝炎と頑固な便秘症で通院中,高度な腹部膨満感で来院した.自発痛や腹膜炎所見,炎症所見に乏しかった.単純X線で多量の腹腔内遊離ガスを認め,上部消化管造影では潰瘍性病変や消化管穿孔は認めなかった.CTでは大量の遊離ガス像と全体に腹水を認め,さらに下部腸管に3cm大の腸管外に突出する多房性嚢胞様病変を認めた.腸管嚢胞様気腫症が最も考えられたが,消化管穿孔の確認,気腫症の診断および腹満改善のために緊急腹腔鏡を行った.術中所見では慢性肝炎像,漿液性腹水を認めたが消化管穿孔はなかった.腹腔鏡および術後内視鏡より回腸と結腸に多発して嚢胞様病変が確認されたが同部に穿孔なく経過観察とした.術後経過は良好であった.高度な便秘に起因したものと考えられた.通常保存的治療が第1選択で,高度な気腹症状の改善と診断確定のために緊急腹腔鏡は有用な方法と考えられた.

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