粘膜下腫瘍の発育形態を示した胃癌肉腫の1例

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タイトル別名
  • A Case of Gastric Carcinosarcoma Presenting an Appearance of Submucosal Tumor

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抄録

胃癌肉腫はまれな疾患で,なかでも肉腫成分が明確な非上皮性悪性腫瘍へ分化し,癌腫成分との間に移行のない真性癌肉腫を経験した.症例は67歳の男性で,背部痛を主訴に当院を受診,腹部CTで胃体部小彎に壁内外性に発育する直径7cm大の腫瘤を認めた.胃内視鏡を施行したところ,胃体部小彎に,不整な潰瘍をともなった粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認めた.胃粘膜下腫瘍の診断で,胃局所切除術を行った.病理組織学的検索の結果,腫瘍は癌腫成分と肉腫成分の混在する癌肉腫であった.肉腫部分の細胞は,間葉系細胞マーカーに陽性である一方,上皮性細胞マーカーに陰性であり,腺癌との移行も認められず,真性癌肉腫と診断した.患者は術後2年6か月を経た現在,再発の兆候なく健在である.

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