胸部食道癌手術における非開胸食道抜去術の意義

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タイトル別名
  • PULL-THROUGH ESOPHAGECTOMY WITHOUT THORACOTOMY IN THE SURGICAL TREATMENT FOR CARCINOMA OF THE THORACIC ESOPHAGUS

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抄録

食道癌19例に,非開胸食道抜去術を施行した.頚部食道癌11例の5年生存率は22.2%であり,癌腫が頚部に限局すれば本術式は今後も有力な手術法と考えられた.一方,胸部食道癌8例では5年生存はなかったが,リンパ節転移が広範でない場合,多少とも長期生存の可能性が示唆された.そこで,胸部食道癌に対する本術式の根治性を高めるため,横隔膜縦切開と吊上げ式開腹鉤の併用による下縦隔リンパ節郭清を行えば,占居部位がIm,Ei,Eaに限り"R_1+α"の可能性があり,根治手術が不能なpoor risk例が対象となる本術式においてその意義は少くないことを強調した.

収録刊行物

  • 日消外科会誌

    日消外科会誌 18 1961-1966, 1985

    一般社団法人日本消化器外科学会

被引用文献 (1)*注記

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