急性腸間膜血管閉塞症の病態と外科的治療

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  • The surgical management and pathophysiology of acute mesenteric vascular occulusion.

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抄録

急性腸間膜血管閉塞症15例の原因別にみた病態と治療について検討し.本邦例を集計して考察を加えた.1) 塞栓症8例, 血栓症7例で, 塞栓症の全例に心疾患併存を認めた.血栓症は5例が動脈硬化症, 2例がイレウスに起因した.2) 全例24時間以上経過して腸切除し, 14例に腸管大量切除した.血栓症は4例救命しえたのに対し, 塞栓症は重症例が多く, 7例が2日から3ヵ月で循環障害で死亡した.3) 術後2例のアミノ酸分析から本症の術後肝障害が示唆された.4) 本邦例では約45%の救命率で, 多くは併存する循環器疾患で死亡している.本症は閉塞因子, 閉塞部位などで病態が異なるが予後不良である.病態を考慮した適切な診断と治療の必要性を強調した.

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