胃下部進行癌の臨床病理学的特徴と術式決定に関する検討

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  • Clinico-pathological studies and indication of the operative procedures for advanced gastric cancer located in the lower third of stomach.

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抄録

胃下部進行癌の手術術式の決定に関する検討を行う目的で, 胃下部進行癌279例を臨床病理学的に検討し, さらにBrdU標識リンパ球を用い胃下部のリンパ流の検索を行った. また左腎静脈周囲リンパ節の郭清を施行した胃下部進行癌21例につきその転移率, 転移部位も併せて検討した. その結果, 胃下部進行癌のリンパ節転移の特徴は, リンパ節転移率とくに第3群リンパ節転移率 (16.2%) が有意に高率である. またリンパ流としては第2群リンパ節を介さず, 第1群リンパ節から第3群リンパ節転移に直接流入する経路が存在し, 十二指腸進展が10mm以上を越えると第3群リンパ節転移率 (46.2%) が有意に高率となる. 以上の特徴から胃下部進行胃癌の術式としては, 郭清の範囲はR2に加え重点的R3郭清, すなわち第3群リンパ節の重点的郭清目標としては, No.12, 13a, 14Vが重要である. また腹部大動脈周囲リンパ節の郭清は, No.9またはN3 (+) 例でその範囲は左腎静脈周囲リンパ節が重要と考えられる.さらに膵頭十二指腸切除術の適応は, S3 (膵) 例, N3 (+) (No.13a, 14V, 8p) 例, 十二指腸進展胃癌 (10mm以上) 例と考えられた.

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