膵癌肝転移能に関与する分子生物学的因子の解析
書誌事項
- タイトル別名
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- The Functioning Role of Biological Factors Involved in the Liver Metastasis Ability of Pancreatic Cancer
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抄録
膵癌細胞を用い, 微小環境における宿主免疫応答に関わる接着分子であるICAM-1発現の意義および転移に関与する因子として注目されているTGF-β1に着目し, 肝転移形成能におよぼす影響について分子生物学的解析を行った.ヌードマウス肝転移モデルにおいて高転移能を有するSW1990ではICAM-1発現が低率で, 末梢血単核球の癌細胞に対する接着性, 細胞障害活性も低かった.TGF-β1処理にて膵癌細胞のICAM-1発現は抑制され, また浸潤能は亢進し, 肝転移能もSW1990, CAPAN-2で促進された.TGF-β1などの因子によるICAM-1発現低下は免疫担当細胞よりの回避から転移形成に深く関与し, ICAM-1遺伝子導入や抗TGF-β1抗体による転移抑制への応用の可能性が示唆された.
収録刊行物
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- 日本消化器外科学会雑誌
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日本消化器外科学会雑誌 33 (4), 549-553, 2000-04-01
一般社団法人日本消化器外科学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1573950401629071360
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- NII論文ID
- 110001337581
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- NII書誌ID
- AN00192066
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- ISSN
- 03869768
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- CiNii Articles