腹腔内腫瘤として発見された回腸カルチノイドの1例

• 牧本 伸一郎

  岸和田徳洲会病院外科

• 新保 雅也

  岸和田徳洲会病院外科

• 仲本 剛

  岸和田徳洲会病院外科

• 上江洲 朝弘

  岸和田徳洲会病院外科

• 園村 哲郎

  岸和田徳洲会病院放射線科

• 筑後 孝章

  岸和田徳洲会病院病理

書誌事項

タイトル別名

• A Case of Ileal Carcinoid Tumor Detected as an Intraperitoneal Mass

抄録

症例は67歳の男性.腹部膨満感と腹痛にて来院し, 下腹部に腫瘤を触知したので精査のため入院となった.腹部超音波検査, CT, MRIにて腸間膜内に径4.0cmの腫瘤を認め, 上腸間膜動脈造影では淡い濃染像を示した.小腸造影では境界が明瞭な径1.8cmの隆起性病変がみられた.手術所見では回腸末端部に粘膜下腫瘍を認め, 腸間膜内の径4.0cmの腫瘤が腸間膜を捲き込むように発育していたので, 約100cmの回腸を切除した.回腸には径0.2cmから径1.8cmに及ぶ8か所の粘膜下腫瘍が見られた.病理検査では回腸の腫瘍はすべてカルチノイド腫瘍でうち2か所では浸潤が漿膜下層まで及び, 腸間膜の腫瘤はリンパ節転移であった.Chromogranin染色が強陽性で, 電子顕微鏡では多数の神経分泌顆粒を認めた.回腸カルチノイドはまれな疾患であるが自験例は多発し, 原発巣より大きいリンパ節転移をきたし腹腔内腫瘤として触知され発見の契機となった.

収録刊行物

• 日本消化器外科学会雑誌

  日本消化器外科学会雑誌 33 (12), 1930-1934, 2000-12-01

  一般社団法人日本消化器外科学会

キーワード

• ileal carcinoid
• lymph node metastasis of ileal carcinoid

詳細情報

• CRID: 1570572701952267008
• NII論文ID: 110001340764
• NII書誌ID: AN00192066
• ISSN: 03869768
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2001121513
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • CiNii Articles