急性虫垂炎が原因と考えられた肝膿瘍の1例

• 吉川 智道

  道東病院外科, 札幌医科大学第1外科

• 菅 優

  道東病院外科

• 佐々木 一晃

  道都病院外科

• 山口 浩史

  道東病院外科, 札幌医科大学第1外科

• 井上 大成

  道東病院外科, 札幌医科大学第1外科

• 平田 公一

  札幌医科大学第1外科

書誌事項

タイトル別名

• A Case of Liver Abscess Probably Caused by Acute Appendicitis

抄録

症例は22歳の女性.既往歴, 家族歴に特記すべきことなし.平成11年9月7日発熱, 腹痛を主訴に近医受診, 急性腸炎の診断で治療受けるも症状は軽快しなかった.同年9月14日当院受診, 来院時39度の発熱とMcBurney点を最強とする圧痛および腹膜刺激症状を認めた.急性虫垂炎による腹膜炎の診断で緊急開腹手術となった.壊疽性虫垂炎で膿性腹水の貯留を認めた。術後, 創部の経過は良好であったが食欲不振と全身倦怠感, 微熱が持続した.第14病日に施行した腹部CT検査上肝S6に径80mmの低信号域を認めた.肝膿瘍の診断で同日腹部超音波誘導下に穿刺ドレナージ術を施行した.膿瘍腔の洗浄と抗生剤の局所注入および全身投与を行った.炎症所見は著明に改善し穿刺後21日目には膿瘍腔が消失, 29日目にはカテーテルを抜去し, 41日目に退院となった.11か月後の現在, 全く異常を認めず生活している.

収録刊行物

• 日本消化器外科学会雑誌

  日本消化器外科学会雑誌 34 (3), 214-218, 2001-03-01

  一般社団法人日本消化器外科学会

キーワード

• acute appendicitis
• liver abscess

詳細情報

• CRID: 1573668926695238272
• NII論文ID: 110001341001
• NII書誌ID: AN00192066
• ISSN: 03869768
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2001169478
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • CiNii Articles