胆嚢未分化癌の1切除例

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  • A Case of Undifferentiated Carcinoma of the Gallbladder

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抄録

今回,我々は比較的まれとされる胆嚢未分化癌の1例を経験した.症例は79歳の女性.慢性C型肝炎で近医に通院中,腹部超音波検査にて胆嚢内に径40mmの隆起性病変を指摘された.入院後の画像検査所見からは,胆嚢近傍にリンパ節転移を伴う進行胆嚢癌と診断され,肝床切除を伴う胆嚢摘出術+D2リンパ節郭清術を加えて,肝床部切離面にマイクロウェーブ凝固を追加した.病理組織学的には小細胞癌に類似していたが,特殊免疫染色にて未分化癌と診断された.術後はさらに放射線療法を追加し,6か月を経過した現在,再発は認めていない.本症は,進行癌で発見されることが多く,治癒切除になる症例は少ない.また,悪性度も高いため予後は不良であり,可及的な早期診断と根治的切除,さらには放射線,化学療法を含めた集学的治療が重要と考えられた.

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