術前診断が困難であった原発性肝カルチノイド腫瘍の1切除例

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  • A Resected Case Report of Primary Hepatic Carcinoid Tumor Which was Difficult to Make Sure the Diagnosis Preoperatively

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抄録

肝に原発するカルチノイドは,比較的まれな疾患である.今回,術前診断が困難で比較的長期間術前経過を観察しえた原発性肝カルチノイド腫瘍の1切除例を経験したので報告する.症例は53歳の女性で,主訴は貧血・便潜血陽性.上部・下部消化管検査で異常なく,平成12年6月腹部骨盤CT検査施行し,肝右葉(S5)に径25mmの嚢胞性病変を指摘された.その後,増大傾向を認め,平成15年1月手術門的で当院紹介入院となった.腹部エコー・CT,血管造影検査にて肝嚢胞腺癌などを疑い肝門部リンパ節郭清を含めた肝右葉亜区域(S5)切除および胆嚢摘出術を施行した.切除標本では腫瘍は正常肝との境界が比較的明瞭で,内部に出血巣を伴い乳白色の繊維性隔壁で分葉された嚢胞性腫瘍であった.病理組織学的にはSynaptophysin染色陽性とHE染色の所見よりカルチノイド腫瘍と診断された.術後12病日に軽快退院し,術後10か月目の現在注意深く経過観察中である.

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