大腸癌新鮮切除標本をもちいた providone-iodine 液による化学的腸管洗浄法の検討

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  • The Tumoricidal Efficacy of Povidone-Iodine for Exfoliated Colorectal Carcinoma Cells in the Fresh Operative Specimen

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抄録

Implantation metastasis を予防する化学的腸管洗浄液としての povidone-iodine (PVP-I) の有用性を大腸癌新鮮切除標本を用いて検討した. 予備実験でヒト大腸癌細胞株とPVP-Iを接触させた後に行った密度勾配遠心法では viability の消失した癌細胞は最下層に沈殿したため, これを臨床検体に応用した. 切除標本24例を対象とし癌腫の口側と肝門側腸管洗浄液 (OF, AF) を採取後密度勾配遠心法で癌細胞を分離し, 最初の8例は癌細胞の viability 評価を, 次の16例は検体を二分してPVP-I接触による遊離癌細胞の viability の変化を検討した. 前者の viability の研究では採取した全例に癌細胞が認められ, その viability は OF86%, AF67%であった. 後者の抗腫瘍効果の研究では0.5%PVP-Iでは viability は OF 67.8%, AF 63.6%と十分な殺細胞効果が得られず5%PVP-IではOF, AF共に0%と効果が認められた. 腸管内遊離癌細胞は高い viability を有するが, これは5%PVP-Iにより消失した. PVP-Iの術中腸管洗浄液としての有用性が示唆された.

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参考文献 (28)*注記

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