北九州におけるアブラハヤの生活史-I

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タイトル別名
  • Studies on the life history of the Aburahaya, Moroco steindachneri steindachneri (Sauvage), in northern Kyushu. I
  • 北九州におけるアブラハヤの生活史-1-
  • キタキュウシュウ ニ オケル アブラハヤ ノ セイカツシ 1

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抄録

筆者らは北九州産アブラハヤの生活史のうち成魚の形態と生態,初期生活史を報告した.その結果は次のようにまとめることができる. 1 北九州産アブラハヤの形態は松原(1955)のMoroco steindachneri steindachneri (Sauvage)にほぼ一致する. 2 室見川水系の八丁川においては成魚は瀬には少なく,淵頭や堰の上のゆるやかな流れのところ,淀み,淵に多く生息し,夏李には活発であるが冬季は不活発でものかげにかくれている.生息適水温は10℃~20℃である. 3 アブラハヤの食物は主として昆虫であるが植物もふくみ,きわめて貪食である. 4 産卵期には雄の体側に側線に沿うた暗色縦帯が現われる. 5 八丁川におけるアブラハヤの産卵期は4~8月で,その期間の水温は12~20℃ である. 6 卵は2.1~2.3mmの弱粘着性球形卵で,発生の途中で卵膜は不透明になる.水温約20℃では3日で孵化し,孵化仔魚は全長約5.1mm, 孵化後10日で卵黄を吸収する.5月に孵化したものは同年12月には全長約60mmに達した. 7 アブラハヤは発育とともに生息場をかえ,仔稚魚期には岸近くの浅くて流れのゆるやかなところ,淀み,淵などに多く生息するが,発育が進むにつれて流れのあるところへ出て生息するようになる.

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