歯科診療刺激が自律神経活動に及ぼす影響 : 心拍数変動の周波数分析 Evaluation of the effect of dental treatment on the autonomic nervous system using power spectral analysis of heart rate variability

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著者

    • 福島 卓司 Fukushima Takuji
    • 大阪歯科大学欠損歯列補綴咬合学講座 Department of Removable Prosthodontics and Occlusion, Osaka Dental University
    • 畦崎 泰男 Unezaki Yasuo
    • 大阪歯科大学欠損歯列補綴咬合学講座 Department of Removable Prosthodontics and Occlusion, Osaka Dental University
    • 井上 宏 Inoue Hiroshi
    • 大阪歯科大学欠損歯列補綴咬合学講座 Department of Removable Prosthodontics and Occlusion, Osaka Dental University

抄録

歯科診療時に日常的に行われる処置に患者はストレスを感じているが,そのストレス軽減のためにはインフォームドコンセントや信頼形成が必要とされている.今回の研究目的は,歯科診療処置の繰返し経験が,患者の自律神経活動にどのような影響を与えるかを検討することである.方法 歯科浸潤麻酔と印象採得を疼痛を伴う処置と不快感を伴う処置として選択して負荷ストレッサーとした.被験者5名に1週間隔でこの試行を計3回繰り返して行った.実験中は心電図をモニターし,心拍数と共に,R-R間隔のパワースペクトルから低周波成分(LF:0.04-0.15Hz)および高周波成分(HF:0.15-0.40Hz)の積分値を算出し,その比(LF/HF)を交感神経活動の指標とした.各条件での心拍数とLF/HFの変化は繰り返しのある二元分散分析による解析を行った.1.歯科浸潤麻酔は1回目から3回目にいたるまで開始合図に対して麻酔中は心拍数が低下,麻酔後は上昇した.しかし試行回数を重ねるにしたがって合図時は減少して安静時に近づくのに対して,麻酔中,麻酔後には回数を重ねることによる差は認められなかった.LF/HFでは麻酔中の値に,繰り返しによる差は認められなかった.2.印象採得は1回目2回目は開始合図に対して印象中の心拍数は低下し,印象撤去後は上昇するが,3回目では差は認められなかった.また回数を重ねると,合図,印象時,印象撤去後は安看割犬態に近づく傾向が認められた.LF/HFでは印象中は上昇するが,繰り返しにより安静時に近づいた.以上の結果から,痛みを伴うストレッサーに対しては繰り返しによる交感神経活動の低下がみられず,痛みを伴わないストレッサーに対しては,繰り返しによる交感神経活動の低下と安定化が認められ,ストレスに対する慣れがうかがわれた.

We investigated the relationship between dental treatment stress and function of the autonomic nervous system during dental anesthesia and impression taking. The procedures were administered to five healthy volunteers, once each week for a total of three times. We analyzed the frequency of the R-R interval of the electrocardiogram, and calculated the integrated power values based on the obtained power spectrum for the respective components in the low frequency band (LF : 0.04-0.15Hz) and high frequency band (HF : 0.15-0.40Hz). The ratio of LF to HF was used as an index of sympathetic nervous system function. This ratio decreased with repeated impression taking, but not with repetition of dental anesthesia. We found that different procedures produced different stresses.

収録刊行物

  • 歯科医学

    歯科医学 67(2), 195-200, 2004

    大阪歯科学会

参考文献:  21件中 1-21件 を表示

被引用文献:  6件中 1-6件 を表示

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    110001723181
  • NII書誌ID(NCID)
    AN00099810
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    ART
  • ISSN
    0030-6150
  • データ提供元
    CJP書誌  CJP引用  NII-ELS  J-STAGE 
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