咬合接触検査装置による咬合接触面積測定の再検査信頼性に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • Reproducibility of measurements of occlusal contact area obtained with an occlusal examination device
  • コウゴウセッショク ケンサ ソウチ ニ ヨル コウゴウセッショク メンセキ ソクテイ ノ サイケンサ シンライセイ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

本研究では, 伝導性感圧インクを応用した咬合接触検査装置T-スキャンIIを用いた咬頭嵌合位における歯列全体の咬合接触面積の測定について再検査信頼性を検討した.被検者として健常有歯顎者男性10名を選択した.センサシートを被検者の上下歯列間に挿入し, 最大咬みしめを行わせ, 約1秒間保持させた.計測は, 3〜4日間隔で2回の測定日を設け, 同一のセンサシートにて5回の繰り返し測定を行った.まず, 測定1日目に得られた最大咬みしめ時の5回の連続したデータから, もっとも信頼性の高い測定区間を求めた.次に, 最大咬みしめ(Maximum voluntary contraction, 以下MVCとする.)時の荷重値を100%とする咬みしめ開始から最大咬みしめに至る25%, 50%, 75%, 90%ならびに100%MVCにおける咬合接触面積の再検査信頼性を求めた.信頼性の検討には, 分散分析, 測定の標準誤差ならびに級内相関係数を使用した.その結果, 5回の測定すべての連続する組み合わせにおいて, 2回目と3回目の最大咬みしめ時の測定値が安定していた.測定日内再検査信頼性において, すべての咬みしめ強度について系統誤差は存在せず, ランダム誤差は, 平均測定を利用することによって, 95%信頼区間の上限値が測定平均値の16%以下となった.測定日間再開信頼性においても, すべての咬みしめ強度について系統誤差は存在せず, ランダム誤差についても平均測定を利用することによって, 95%信頼区間の上限値は測定平均値が18%以下となった.以上のことから, 伝導性感圧インクを応用した咬合接触検査装置を用いた咬合接触面積測定において, 安定した測定区間から得られた平均データを使用することによって, 信頼性の高い咬合接触面積の測定が可能となることが示唆された.

収録刊行物

  • 歯科医学

    歯科医学 68 (2), 199-206, 2005

    大阪歯科学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (22)*注記

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