歯科矯正患者における若年者心理的ストレス反応尺度の開発

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  • Development of indices for psychological stress reactions in young orthodontic patients

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抄録

心理的ストレスは,その長期的影響によって身体疾患の原因の一つとなる可能性が指摘されており,顎機能異常との関連を指摘した報告も多く見られる それゆえ,矯正歯科治療を行っていく上で患者のストレスをよく理解することが大切である.しかしながら,このような心理的ストレスを評価するにあたり,成人を対象にした従来の方法を若年者に用いる場合にはいくつかの問題点が考えられる.<br>そこでわれわれは,若年者の心理的ストレスを質的 量的に評価する自己評定方式の尺度を開発することを目的として以下の研究を行った <br>対象は,大阪歯科大学附属病院矯正歯科に来院した患者である.方法は,質問紙法で得られたアンケートの結果から抽出されたストレス反応項目を反応種類別に因子分析を行い,因子負荷量の高い項目を各反応種類別に選択した その結果,情動的反応に関する13項目,認知的反応に関する30項目,生理的反応に関する9項目,計52項目の若年者の心理的ストレス反応尺度をまとめることができた 尺度の評価は,ストレスの低い順に0 1 2 3とし,合計得点による総合評価とした <br>今回,若年者の心理的ストレス反応尺度を開発するにあたり,対象者とした若年者が,本大学附属病院矯正歯科に来院した患者で,中学 高等学校に通学する学生としたことなど,若干の特異的環境下での開発になったが,今後は性格分類別や対象者の特異性に照らして信頼性,妥当性の検討も含めた上で臨床応用を考慮している

収録刊行物

  • 歯科医学

    歯科医学 66 (3), 236-240, 2003

    大阪歯科学会

参考文献 (27)*注記

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