いもち病菌接種時のイネにおけるケイ素による活性酸素の生成助長

書誌事項

タイトル別名
  • Silicon-Dependent Promotion of Superoxide Generation Following the Inoculating of Magnaporthe grisea into Rice Leaves
  • イモチ ビョウキン セッシュジ ノ イネ ニ オケル ケイソ ニ ヨル カッセイ サンソ ノ セイセイ ジョチョウ

この論文をさがす

抄録

イネいもち病に対して,ケイ素がイネの生理的な抵抗性を促進する可能性を探るため,いもち病菌の感染時において,イネからの活性酸素の発生に注目し,ケイ素施用が与える影響を検討した.1)土耕栽培したイネ葉身において,ケイ酸カリウムを施用したイネ葉身で,接種後0〜0.25hに無施用に比べ,スーパーオキシドアニオン(O_2^-)の高い生成ピークが認められた.接種後0.25h以降には,生成量はピークの約半分に減少し,無施用のイネとほぼ同等になり,その後大幅な増減がないまま推移した.2)水耕栽培したイネ葉身において,ケイ酸カリウム施用イネで接種後0.25〜0.50hに無施用に比べ,O_2^-の高い生成ピークが認められた.接種0.50h以降,無施用のイネとほぼ同等になり,そり後大幅な増減がないまま推移した.3)接種後0.50h以内のO_2^-の急激な生成ピーク(オキシダティブバースト)が,ケイ素施用により増加したことは,ケイ素の施用は病原菌感染時の認識シグナルを増幅する可能性を示す.本報告は,ケイ素が病原菌感染時におけるO_2^-の生成を促進することを示した初めての報告である.

収録刊行物

被引用文献 (4)*注記

もっと見る

参考文献 (29)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ