緑農地から排出する各種植物性廃棄物を主材料とした培養土の諸性質と植物生育に対する影響
書誌事項
- タイトル別名
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- Chemical and Cultural Properties of Plant Culture Soils Made by Composting Some Weed and Crop Residues
- リョクノウチ カラ ハイシュツスル カクシュ ショクブツセイ ハイキブツ オ
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抄録
セイタカアワダチソウ,ヨモギ,ススキ,ダイズおよびトウモロコシ茎葉等の緑農地から排出する植物性廃棄物を主材料として製造した培養土の理化学性と植物生育に対する影響を調査した.1)供試した植物性廃棄物のC/Nはススキ>セイタカアワダチソウ>トウモロコシ>ヨモギ>ダイズの順であった.無機成分のなかでは,窒素含量がヨモギ,ダイズにおいて,リン含量がススキ,トウモロコシにおいて,カリウム含量がトウモロコシ,セイタカアワダチソウにおいて,カルシウム,マグネシウム含量がダイズにおいてそれぞれ他の草種に比べて高い値を示した.2)製造した各培養土はpH6.42〜7.24,EC0.10〜0.22mSであり,植物生育に対して良好な範囲内にあった.3)培養土の硝酸窒素含量およびCa型リン酸含量はともにダイズを材料としたものにおいて最も高く,ススキを材料としたものでは最も低かった.また,材料とした植物性廃棄物の成分含量と製造した培養土の成分含量の間には,C/Nとカルシウム含量以外有意な相関は認められなかった.4)各培養土に栽培した4種(コマツナ,シュンギク,ダイズ,トウモロコシ)の作物の生育は,栽培期間の短いコマツナでは対象とした土壌区以上の生育を示さなかったが,栽培期間の長い作物(ダイズ,トウモロコシ)では土壌区の生育を凌駕した.5)上記の4種の作物の平均生育量と培養土のCa型リン酸および交換性カルシウム含量との間に正の有意な相関が認められた.以上の結果から,緑農地から排出する各種植物性廃棄物と浄水廃棄物を組み合わせて堆積することにより培養土の製造は可能であるが,さらにリン酸およびカルシウムの添加により高品質のものが製造できるものと考えられた.
収録刊行物
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- 日本土壌肥料学雑誌
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日本土壌肥料学雑誌 63 (5), 511-516, 1992
一般社団法人 日本土壌肥料学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282681532691968
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- NII論文ID
- 110001747886
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- NII書誌ID
- AN00195767
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- ISSN
- 24240583
- 00290610
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- NDL書誌ID
- 3799667
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可