水耕栽培条件下でのチャにおけるアミノ酸吸収

書誌事項

タイトル別名
  • Uptake of Amino Acids by Tea Plant (Camellia sinensis L.) under Solution Culture Condition
  • スイコウ サイバイ ジョウケン カ デ ノ チャ ニ オケル アミノサン キュウシュウ

この論文をさがす

抄録

チャ(Camellia sinensis L.)を^<15>Nと^<13>Cの両方で標識したアミノ酸(AA区)または^<15Nで標識した硫酸アンモニウム(AS区)のみをN源として含む培養液で水耕栽培し,チャによるアミノ酸吸収について検討した.アミノ酸としては,それぞれ^<15Nと^<15Cの両方で標識したグルタミン酸,グリシン,アラニン,リジン,アスパラギン酸を混合したものを用いた.アミノ酸由来のNの吸収は,根では処理1日目に,新芽と成葉では処理2日目に認められ,アミノ酸が培地に存在すれば積極的に吸収されることを示した.また,処理2日目までのAA区のN吸収量は施用N量の約1/2に達し,AS区を大きく上回った.特に,処理2日目までの新芽のN吸収量を比較すると,AA区の値はAS区の10倍以上と高かった.これらの結果は,アミノ酸は,チャにとって有効なN源であり,肥料としても高い効果が期待できることを示唆した.一方,植物体に吸収されたアミノ酸由来のC量は施用量のわずか1/10程度で,根のみに検出されただけであった.また,AA区の植物体と培養液のアミノ酸由来のN/C比をみると,処理開始時の培養液のN/C比(0.374)と処理1日目の植物体の吸収N/C比(0.386)はほぼ等しく,培養液のN/C比が植物体の吸収N/C比に反映していた.以上のことから,チャはアミノ酸をその形態のままで吸収し,吸収後は,Nを地上部に迅速に転流するのに対して,Cを根の呼吸基質として利用し,炭酸ガスとして放出している可能性が示唆された.

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (30)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ