福岡県における主要市販加工食品の調査 : (Ⅷ)魚肉練製品 : (2)カマボコ,チクワおよびサツマ揚げ

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書誌事項

タイトル別名
  • Examination of Some Staple Processed Foods in the Market of Fukuoka Prefecture : (Ⅷ) Fish Jelly Products : (2) "Kamaboko," "Chikuwa" and "Satsuma-age"
  • 福岡県における主要市販加工食品の調査-8-魚肉練製品-2-カマボコ,チクワおよびサツマ揚げ
  • フクオカケン ニ オケル シュヨウ シハン カコウ ショクヒン ノ チョウサ

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抄録

常法に従い,カマボコ,チクワおよびサツマ揚げの調査を行なった.カマボコの平均成分は,水分77.3%,蛋白質10.3%,脂質0.2%,灰分2.7%,糖分6.3%,澱粉3.3%,熱量81カロリーであって,昭和47年度調査したものにくらべ,蛋白質および脂質含量ならびに熱量が若干低く,また対照よりは蛋白質および脂質が少なく炭水化物が多かった.サッカリンおよびAF-2は検出されなかったが,ソルビン酸は1業者を除いて使用され,その量は0.2~1.2g/kg,平均0.8g/kgであって昭和47年度調査したものよりも低かった.赤色に着色したものは,食用赤色106号単独またはそれと食用黄色5号とが併用されていた.一方チクワは,同一業者ではあるが,水分68.0%,蛋白質12.8%,脂質0.2%,灰分3.4%,糖分12.5%,澱粉3.4%,熱量116カロリーであって,カマボコよりも水分が少なく,蛋白質,糖分および熱量が高かった.昭和47年度調査したものにくらべて水分,蛋白質および脂質含量は低いが糖分および澱粉が多く,対照よりは水分含量は低いがとくに炭水化物含量が高く,したがって熱量も若干高かった.サッカリン,AF-2は検出されなかったが,ソルビン酸はいずれも使用され0.3~1.4g/kg,平均0.8g/kgであった.これに対してサツマ揚げは,水分68.7%,蛋白質10.4%,脂質3.6%,灰分2.7%,糖分8.3%,澱粉6.2%,熱量132カロリーであって,対照よりは,水分,蛋白質ならびに脂質含量は低いが炭水化物含量は高く,熱量はほぼ同等であった.サッカリンは検出されなかったが,ソルビン酸は0.6~1.45g/kg,平均0.82g/kg,過酸化物価は最低45.7から最高163.5と試料により広く変動した.官能テストの結果,カマボコでは一応蛋白質が多い高価なものが比較的高い評価を受け,一方廉価な試料は蛋白質は少くて澱粉が多く,その評価は低かった.チクワにおいても高価なものの評価は高いようであるが,蛋白質含量にはほとんど影響なく,むしろ澱粉の多いものの評価が低かった.サツマ揚げの評価と価格ないし成分あるいは過酸化物価との相関は認められなかった.

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