食物カルシウム源としての魚骨粉の調理への利用

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  • Utilization of Fish Bone Powder as the Dietary Calcium Source

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抄録

食物カルシウム供給源の一つとして,我が国の主要なカルシウム資源となり得る魚の骨の利用に着目し,調理への添加及びその嗜好性の検討並びに物性検査を行った。魚骨粉を私たちの食生活に取り入れる方法として,(1)まず調理への添加では,冷凍粉末乾燥のままでは魚臭がひどいが,魚骨粉を炒る事で調理へ添加でき,その応用範囲も広がり,菓子等で草餅の様に色彩や香りを大事にするものや味の淡白なもの以外には,日常の調理の中に味を損なう事なく添加できることが検討された。(2)6種類の料理の官能検査では,焼売を除いては魚骨粉添加試料は対照(魚骨粉無添加)試料とおいしさの点では有意差は見られなかった。(3)レオロメーターによる物性検査では魚団子以外は有意差が認められなかった。これらのことから魚骨粉は,各種の料理においしさやテクスチャーを損なわずに比較的容易に添加でき,1日の中で何かの調理に小さじ1/2~1/3位添加していけば,カルシウムを容易に摂取でき,1日の所要量の不足分を十分に満たすことが出来るという結果が示唆された。

収録刊行物

  • 調理科学

    調理科学 24 (2), 84-88, 1991-05-20

    調理科学研究会

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