1950年頃の梅雨降水の増加に関係する、大規模場の特徴の変化

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タイトル別名
  • Variations of Large-Scale Characteristics Associated with the Increment of Baiu Precipitation around 1950
  • 1950年頃の梅雨降水の増加に関係する,大規模場の特徴の変化〔英文〕
  • 1950ネンゴロ ノ バイウ コウスイ ノ ゾウカ ニ カンケイスル ダイキボ

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抄録

降水量、地上気温、海面気圧のデータを用いて、1990年以降の梅雨期の降水量の数十年スケールの変動の特徴を記述し、大規模場の変動との関係を調べた。日本全国を平均した梅雨期の降水量は、1924年から1944年(期間I)には少雨傾向を示していたが、1950年頃に増加し、1952年から1972年まで(期間II)多雨傾向を示した。この数十年スケールの変動は、日本の南西部で大きな振幅を持っていた。<br>期間Iと期問IIの間で、つぎの気象要素に有意な変動が見られた;1)日本の西部での南北温度傾度(増加)、2)日本の、30°Nと40°Nの間の緯度帯での海面気圧(減少)、3)マニラの降水量(減少)。東日本の南北気圧傾度、及び日本の地上気温のEOF第1主成分は、梅雨降水の年々変動と相関するにもかかわらず、期間Iと期間IIの間で有意な変動は見られなかった。<br>解析結果は、期間Iから期間IIにかけての梅雨降水の増加が、亜熱帯の循環の長期変動と関係していた可能性を示唆する。1950年頃の梅雨降水の増加に関して、仮説的なプロセスを提案する。

収録刊行物

  • 気象集誌. 第2輯

    気象集誌. 第2輯 72 (1), 107-121, 1994

    公益社団法人 日本気象学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (15)*注記

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