領域スペクトルモデルの評価:1987年7月と1988年7月の東アジアモンスーン

  • Hong Song-You
    Environmental Modeling Center, National Centers for Environmental Prediction Additional affiliation: General Sciences Corporation
  • Juang Hann-Ming Henry
    Climate Prediction Center, National Centers for Environmental Prediction
  • Lee Dong-Kyou
    Department of Atmospheric Sciences, Seoul National University

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of a Regional Spectral Model for the East Asian Monsoon Case Studies for July 1987 and 1988

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抄録

本論文では米国環境予測センター領域スペクトルモデル(NCEP RSM)の夏季東アジア域の気候再現評価を行う。そのために、観測された境界条件を与えた実験を行う。朝鮮半島を中心とする約25km格子のRSMに対する大規模場の強制としてNCEP-NCAR再解析値を使った。韓国での雨季にあたる7月に対して1ヶ月積分を行った。対象とした年は、エルニーニョ、ラニャーニャにあたる1987年と1988年である。<br>全般にモデル結果は異なる年の大規模場の特徴を再現している。解析値との差は一般に小さい。300hPa気温の領域平均誤差は0.8K、相対湿度の誤差は対流圏全域で2%以下であった。下部対流圏では領域の北部で高温の、南部で低温のバイアスが見られた。中部・上部対流圏での低温バイアスは顕著だが、ほぼ1K以下である。この誤差は両年ともに見られるので、RSM気候値に対するアノマリ予報を行うことで、RSMの系統誤差による不確かさを減らすことが出来る。RSMによる月降水量は、対象とした2年の降水量偏差をとると、観測とよく対応する。局地的な極大・極小といった地域的特徴はRSMではよく再現されなかったが、月平均の領域平均降水量の値は観測と近い。降水量の日々の変動の再現スキルは悪い。モデルによる日降水量の1ヶ月間の変動は観測と定性的に合うものの、降水イベントの量やオンセットはよく再現されなかった。韓国に災害をもたらした2例の豪雨、熱帯低気圧とメソ対流系、について詳細に調べた。

収録刊行物

  • 気象集誌. 第2輯

    気象集誌. 第2輯 77 (2), 553-572, 1999

    公益社団法人 日本気象学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (80)*注記

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