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- 畑 一夫
- 東京都立大学
抄録
新制の大学制度ができてからすでに10年以上たった。新制へのきりかえで一時はかなりの混乱もあったが, 10年もたつとようやく落ちついてきたような感じである。新制に変わった当座は実験教育についても何かと旧制時代とは変わった点があり, また一方新制大学になってから大学における化学教育の問題も真剣に討論されるようになったので, 実験の指導についてもいろいろと工夫され, いくつかの論文も発表されているが, 10年もたって落ちついてくると却ってこのような新機軸も出て来ないようになっているようにみえる。元来大学というところが研究と教育との2本立てになっており, 世の中が落ちついてくるにつれて研究の方に重点が移ってきて, 教育の方はとかく在来のやり方を踏襲してやっていけばよいという一種の安易な気持になるのももっともなような気がする。私の研究室でも新制の有機化学実験の指導は如何にすべきかについて様々の工夫をこらし, いろいろ変わった試みをしたり, 調査をしたりして, 能率のよい実験指導をしようと苦心したことがあり, これについては何回か講演や論文で発表したことがある。その結果, 現在のわれわれなりの実験指導法によって毎年昼夜の学生実験の世話をしている。その後も多少の改変を加えてはいるが, 本質的にはこれまで発表してきたものとそう著しくは変わっていない。これ以上改良を企てても現在の設備と予算とでは無駄であるとすら考えられるので, 大体毎年同じ方針で続行している。したがっていま新たに書き加えることはあまりないように思うが, 日本化学会で新しい雑誌「化学教育」が発足するにあたり, 心に思い浮ぶままに有機化学実験指導に関する問題を拾ってみようと思う。
収録刊行物
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- 化学教育
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化学教育 10 (1), 76-79, 1962
公益社団法人 日本化学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282681075111680
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- NII論文ID
- 110001820780
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- ISSN
- 24326542
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可