ストレス事態に関する思考の制御困難性と関連する対処方略

  • 杉浦 義典
    東京大学大学院教育学研究科・日本学術振興会

書誌事項

タイトル別名
  • Coping Strategies Related to the Uncontrollability of Thoughts
  • ストレス事態に関する思考の制御困難性と関連する対処方略--情報回避・情報収集・解決策産出と心配
  • ストレス ジタイ ニ カンスル シコウ ノ セイギョ コンナンセイ ト カンレン スル タイショ ホウリャク ジョウホウ カイヒ ジョウホウ シュウシュウ カイケツサク サンシュツ ト シンパイ
  • Information Avoidance, Information Seeking, Solution Generation, and Worry
  • 情報回避・情報収集・解決策産出と心配

この論文をさがす

抄録

心配は, 制御困難な思考であると同時に, ストレスへの対処方略でもある。本研究では, 心配がどのような性質の対処方略なのかを調べるために, 情報回避, 情報収集, 解決策産出という3つの対処方略とストレスに関する思考の制御困難性との関連を検討した。成人134名を対象とした質問紙調査の結果, 情報回避, 情報収集, 解決策産出のいずれもが思考の制御困難性を増強し得ることが示された。さらに, この関連はそれぞれの対処方略のもつストレス低減効果とは独立であった。また, 性格特性によって, 対処方略の使用が思考の制御困難性に及ぼす影響が異なることが分かった。結果を, 心配のメカニズムのモデルに照らして考察し, 問題焦点型対処に分類される情報収集と解決策産出については, 動機的な要因による思考の持続が思考の制御困難性を規定するのに重要である可能性を示唆した。

収録刊行物

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ