脊髄損傷者の車椅子スポーツ活動には褥瘡形成に対する予防効果があるか？

• 山崎 昌廣

  広島大学総合科学部健康科学教室

• 小村 堯

  広島大学総合科学部健康科学教室

• 藤家 馨

  総合せき損センター医用工学

• 佐々木 久登

  JR広島鉄道病院リハビリテーション科

• 甲斐 健児

  中国労災病院リハビリテーション科

書誌事項

タイトル別名

• ARE THERE BENEFITS OF SPORTS PARTICIPATION IN THE PREVENTION OF PRESSURE SORES IN SPINAL CORD INJURED PERSONS?
• セキズイ ソンショウシャ ノ クルマイス スポーツ カツドウ ニワ ジョクソウ

抄録

脊髄損傷者 (脊損者) の褥瘡予防として, 身体活動の有効性が指摘されている.しかしながら, 実際のスポーツ活動と褥瘡予防に関した研究はなされていない.そこで, 本研究は脊損者に対する生活状況についてのアンケート調査から, 褥瘡の予防とスポーツ活動との関連を明らかにすることを目的とした.アンケートは脊損者668人に対し郵送法により実施した.有効回答者は466名であり, 回収率は約70%であった.車椅子生活となった後に褥瘡を経験していた者は全体の約半数であった.下肢に痙攣が頻繁に起こる者には褥瘡ができにくいという明らかな傾向が認められた.運動サークルあるいは一人で定期的にスポーツを実施しているActive群は全体の約40%であった.このActive群のうち66.5%がスポーツを始めて以来, 褥瘡ができていないと回答した.しかし, このうちの多くは運動前にも褥瘡ができておらず, 褥瘡ができにくい者がスポーツを実施していると解釈することができる.さらに, スポーツ活動前後の3および5年間の褥瘡発生率を比較すると, 褥瘡の発症率には差は認められなかった.したがって, 本研究結果からスポーツの褥瘡予防に対する有効性については明らかにすることはできなかった.

収録刊行物

• 体力科学

  体力科学 43 (1), 121-126, 1994

  一般社団法人日本体力医学会

キーワード

• pressure sore
• spinal cord injury
• wheelchair sports

詳細情報

• CRID: 1390001204920447616
• NII論文ID: 110001916905
• NII書誌ID: AN00137986
• DOI: 10.7600/jspfsm1949.43.121
• ISSN: 18814751
• ISSN: 0039906X
• NDL書誌ID: 3872113
• Web Site: http://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/00025992
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I3872113
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm1949/43/1/43_1_121/_pdf
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/1995177357
• データソース種別:
  • JaLC
  • IRDB
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可