密度法による日本人成人男女の身体組成

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タイトル別名
  • BODY COMPOSITION OF YOUNG AND MIDDLE-AGED JAPANESE
  • ミツドホウ ニ ヨル ニホンジン セイジン ダンジョ ノ シンタイ ソセイ

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抄録

本研究は, 平均的日本人成人男女の身体組成を明らかにし, かつ欧米人との比較でその特徴を明らかにすることを目的とした.方法および結果は以下のようである.<BR>1) 被検者は20~59歳の日本人男女で, 男子は154人, 女子は142人であった.これらの被検者は豊田市, 長崎市, 弘前市およびその周辺に居住する者で, 日本人の平均的な身長と体重を持つ者であった.<BR>2) 身体組成については, 水中体重秤量法による密度法にて身体密度を求め, Brozekらの式により体脂肪率を算出し, それより脂肪量とLBWとを得た.<BR>3) 各年代ごとに得られた男女の結果については, 身長, 体重, 身体密度, 体脂肪率, LBW, 身長1mあたりの脂肪量とLBWで有意差がみられ, 脂肪量については有意差はみられなかった.<BR>4) 男女ともに, 年齢と有意な正の相関関係がみられたのは体脂肪率と脂肪量であった.有意な負の相関関係は身体密度にみられた.また, 男子のみに有意な負の相関関係がみられたのはLBWであった.<BR>5) 男子の加齢に伴うLBWの減少率は10年間につき3.3%であった.脂肪量の増加率は10年間につき男子が14.2%, 女子が10.7%であった.<BR>以上のように, 日本人の中高年男女の平均的身体組成を明らかにしてみたところ, 体重の差は脂肪量にはなくLBWにあることが分った.そのLBWは男子では加齢とともに減少し, 脂肪量は男女ともに増加することが分った.このような加齢に伴う日本人男女の身体組成の変化は定性的には欧米人と同様な傾向にあった.しかし, 量的には体脂肪率, 脂肪量, LBWで男女ともに欧米人よりは少ない傾向にあることが分った.

収録刊行物

  • 体力科学

    体力科学 42 (2), 209-218, 1993

    一般社団法人日本体力医学会

被引用文献 (7)*注記

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