女性の加齢による骨塩量変化とsingle energy X-ray absorptiometry法による踵骨骨塩量測定の有用性

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  • The Bone Mineral Density Change with Aging of Women and Usefulness of Single Energy X-ray Absorptiometry for Measurement of Bone Mineral Content

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抄録

女性の踵骨骨塩量をsingle energy X-ray absorptiometry法(SXA)により測定し, 加齢による変動を検討した. 同時に腰椎の骨塩量をdual energy X-ray absorptiometry法(DEXA)にて, 第2中手骨の骨塩量をdigital image processing法(DIP)にて測定し, それぞれの相関性を求め, 踵骨を測定するSXAの骨粗鬆症スクリーニング法としての有用性についても検討を加えた. SXA装置はオステオン社のOsteoanalyzerを使用し, 左踵骨の骨塩量を測定した. 使用に先立ち, まず30人に対し5回ずつ測定して本装置の変動係数を算出した. DEXA装置はノーランド社のXR-26を使用し, 第2から4腰椎を測定した. DIPは第2中手骨を測定し, MCIとΣGS/Dを求めた. SXAを473人に, DEXAを198人に, DIPを101人に施行した. なお182人にはSXAとDEXAを, 101人にはDIPとDEXAを同時に行い, それぞれの測定結果を比較した. (1) 女性の骨塩量の減少は, 踵骨が30歳から, 腰椎は35歳から認められ, 減少率は50から59歳が最大であった. 更年期前からの骨塩量のスクリーニングと骨粗鬆症の予防が重要と思われた. (2) SXAで測定した踵骨骨塩量とDEXAで測定した腰椎の骨塩量の間には有意な相関が認められ, 高い相関係数が得られた(r=0.804, p<0.001). DIPによるMCIおよびΣGS/DとDEXAによる測定値の間にも有意な(p<0.01, p<0.001)相関を認めたが, 相関係数はそれぞれr=0.285, r=0.535であった. SXAとDEXAの測定値間の相関関係からみて, 踵骨の骨塩量から脊椎骨の骨塩量が十分に予測し得ることが明らかにされた. 本研究で用いたSXA装置の変動係数は0.91%で, DEXAに匹敵する精度である. 操作が簡便で, 測定時間が短い利点もあり, 骨塩量のスクリーニング法として本装置による踵骨SXA測定法の優秀性が示された.

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