Normal-sized ovary carcinoma syndrome, 14例の病理組織学的解折

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  • Normal-sized Ovary Carcinoma Syndrome : Histopathological Analysis of 14 Cases

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抄録

いわゆる "normal-sized ovary carcinoma syndrome" (腹腔内に無数の播種性悪性病変が存在する女性患者, 術前検査では原発巣不明, 開腹時肉眼所見でも卵巣正常大で明らかな原発巣を見出せないような臨床的状況を呈する症候群, Feuer et al., 1989)は, いくつかの悪性疾患を包括し, 通常の手法ではその病理組織学的な診断の確定は必ずしも容易ではない. そこで本研究では, 多施設より本症候群に該当する14例を集め, 免疫組織化学, 超微形態学などの手法を用いて, それらの鑑別診断がどの程度可能であるかを検討した. 14例を検討し最終診断を下した結果の内訳は, 腹膜原発の悪性腫瘍11例(びまん性悪性中皮腫4例, 漿液性表在性乳頭状腺癌7例), 卵巣腫瘍2例, 虫垂腫瘍1例であった. 悪性中皮腫で上皮型を示すものと漿液性表在性乳頭状腺癌とを光顕所見のみで鑑別するのは困難であったが, 両者の鑑別には, Hyaluronidase 消化試験, 電顕所見などのほか, 免疫組織化学的手法では, Ber-EP4とVimentinとを組み合わせた検索が有用であった. 今後, 本研究のような鑑別診断のもとで, 原疾患別に本症候群の治療成績を集積してゆく必要がある.

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