虫垂・盲腸に限局した小児 Crohn 病の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Pediatric Crohn's Disease Confined to the Appendix and Cecum

この論文をさがす

抄録

虫垂Crohn病はきわめて稀で, 本邦小児報告例では3例が報告されているにすぎない.今回, われわれは急性虫垂炎症状で発症した虫垂および回盲部に限局したCrohn病の1例を経験したので報告する.症例は12歳の男児.右下腹部痛・発熱を主訴に来院.右下腹部に強い圧痛と筋性防御, Blumberg徴候を認め, 急性虫垂炎の診断にて緊急手術を施行した.盲腸と虫垂は炎症性に著しく腫大し, 虫垂は回盲部と一体となり, 判別不明であったが, 結腸および回腸には著変を認められず, 回盲部切除術を施行した.切除標本では, 盲腸と虫垂壁は著しく肥厚しており, 虫垂根部に壊死を認めた.病理組織学的に盲腸と虫垂には全層性に炎症性細胞の浸潤と非乾酪性肉芽腫を認めCrohn病と診断された.術後1年の現在, 経過観察中であるが再発は認めていない.

収録刊行物

参考文献 (38)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ