ダナゾールの血中プロラクチン濃度と血中コルチゾル濃度に及ぼす影響

  • 竹内,亨
    東京大学医学部附属病院分院産婦人科
  • 西井,修
    東京大学医学部附属病院分院産婦人科
  • 岡村,隆
    東京大学医学部附属病院分院産婦人科
  • 柳沼,〓
    東京大学医学部附属病院分院産婦人科
  • 小林,拓郎
    東京大学医学部附属病院分院産婦人科

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Danazol on Serum Prolactin and Cortisol Levels

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抄録

ダナゾールの血中プロラクチン(PRL)やコルチゾル濃度に及ぼす影響については報告が少なく,一致した結果が得られていない.本研究は,閉経後および両側卵巣摘出婦人を対象とし,卵巣性ステロイドホルモンの関与しない内分泌環境下で,ダナゾールの血中PRL濃度とコルチゾル濃度に及ぼす作用を検討した.4人にダナゾール400mg/日,5人にダナゾール600mg/日をそれぞれ2週間連日経口投与した.採血は投与前,投与後それぞれ20分間隔で7回行なつた.1)血中PRL濃度ダナゾール400mg/日投与群では,4例中2例に投与後有意な減少(p<0.001)が認められたが,群全体としては有意な変動は認められなかった.ダナゾール600mg/日投与群では,5例中1例に投与後有意な上昇(p<0.001)を認め,1例に有意な減少(p<0.001)が認められたが,群全体としては有意な変動は認められなかった.2)血中コルチゾル濃度ダナゾール400mg/日投与群では,4例中1例に有意な減少(p<0.01)を認めたが,群全体としては有意な変動を認めなかった.ダナゾール600mg/日投与群では,5例中4例に有意な減少(p<0.001)を認め,群全体としても投与後有意な減少(p<0.05)が認められた.以上のように,卵巣性ステロイドホルモンの関与しない環境下では,ダナゾールの血中PRL濃度に及ぼす作用は一定ではない.一方,ダナゾールの比較的大量投与により,血中コルチゾル濃度は有意に減少する.

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