Enzyme Immunoassay法による周産期Chlamydia Trachomatis感染症の検索

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  • Detection of Perinatal Chlamydia Trachomatis Infection by Enzyme Immunoassay Method

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抄録

本邦におけるChlamydia trachomatis (以下C. trachomatis)の周産期領域での系統的検索の報告は少ない. そこでわれわれは最近開発されたenzyme immunoassay法(以下EIA)であるChlamydiazymeを用いて1986年2月より1987年1月までの1年間に当科外来を受診した妊婦839例について子宮頚管部のC. trachomatis感染のスクリーニングと母児垂直感染率などにつき検討した. その結果正常妊婦768例中21例(2.7%)が陽性となつた. 自然流産64例, 子宮内胎児死亡7例では陽性症例はなかった. EIA陽性妊婦21例中20例につき分娩, 産褥, 新生児管理を行つた. 母体については分娩, 産褥経過で特記すべき異常は認められなかつた. 新生児経過では出生後6週以内に21例中2例(10%)がC. trachomatis肺炎を, 1例(5%)がC. trachomatis結膜炎を発症し加療した. EIA陽性妊婦の夫のうち16例について尿道のEIA検査を行つたがすべて陰性であつた. EIAとHeLa229細胞を用いた培養法との一致率は陽性一致率78%(n=18), 陰性一致率は100%(n=66)であつた. 抗C. trachomatis IgG抗体は検索した19例がすべて陽性であつた. 以上の結果より本邦において妊婦に対するC. trachomatis感染スクリーニングの必要性が認識された.

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