介護保険制度実施後の痴呆性高齢者に対する在宅の家族介護の実態

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  • The Study on Home Care Provided to Demented Elderly by Family Caregivers in the Long-term Care Insurance System

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抄録

本研究では,高齢者に対する適切な介護サービス提供のあり方を検討するために,とくに問題行動がある高齢者を対象として,介護保険制度実施後の介護保険サービスの利用状況および利用料,在宅で家族が提供している介護内容,介護時間等の実態を明らかにすることを目的とした。調査の結果,家族が提供する介護内容は,「日常会話」等のコミュニケーションや「食事をつくる」等,食事に関する介護が多かった。介護提供時間は,要介護度との関連よりも家族関係による差が激しかった。利用している介護保険サービスは,通所サービスが多かった。平均利用率は,支給限度額の40%程度で,限度額を超えた利用はなかった。また,個別面接調査の結果,家族介護者には,痴呆性老人の特性やこれに対応した介護方法や,情報提供はほとんど行われておらず,家族にとって介護への不安が大きいことが明らかとなった。今後は,これらの高齢者への対応方法について,家族教育を目的とした支援プログラム等が検討されるべきであると考えられた。

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