慢性喘息症例におけるプレドニゾロン3日間投与と2週間投与との比較からみた短期経口ステロイド療法の投与期間に関する一考察

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  • A COMPARISON OF A 3DAY COURSE WITH A 2 WEEK COURSE OF ORAL PREDNISOLONE IN PATIENTS WITH CHRONIC ASTHMA

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抄録

慢性喘息症例に対する短期経口ステロイド3日間投与(3D)と2週間投与(2W)の治療成績を比較検討した.投与前1週間, および投与後1から4週目のピークフロー値(PEF)は自己最良値の, 3Dでは63, 73, 67, 67, 65%, 2Wでは60, 76, 80, 76, 76%で, いずれも経時的にみると有意に改善していた.β_2刺激薬の吸入回数や症状点数は2Wにおいてのみ有意に改善していた.救急受診数には両群に有意差はなく, 入院した症例はなかった.3Dでは経口ステロイドの追加投与を要した症例が65%存在したが, 追加が不要であった35%の症例では, 投与3日目にPEFは自己最良値の78%に達し, 救急受診は皆無であった.これらの結果から, 3Dの効果は総合的にみて2Wに劣るものの, 35%の症例で十分な投与期間であり, 初期投与期間としては必ずしも不適当ではないと考えられた.3Dで不十分な場合には投与を延長する必要があるが, 2WでのPEFの改善が投与期間の前半で後半に比べて著明であった(改善率:34vs.6.1%, p<0.01)ことから, 2Wまでの延長は不要ではないかと思われる.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 47 (5), 543-549, 1998

    一般社団法人 日本アレルギー学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (18)*注記

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