好酸球増多とアレルギー

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  • Eosinophilia and Allergy

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抄録

Skin window technique を用いて局所好酸球増多の機序を研究した.そして次の成績を得た.1)ヒスタミン, ブラディキニン, Compound 48/80, 蛋白分解酵素プロナーゼ, シアル酸は好酸球増多をきたさなかった.2)ハウスダストアレルギー患者ではハウスダスト抗原抽出物で全例軽度の増多がみられた.3)抗ヒトγGウサギ血清, 抗ヒトγGウサギ血清・ヒトγG結合物, aggregate したヒトγG, aggregate した抗ヒトγGウサギ血清, 抗ヒトγGウサギ血清・ヒトγG結合物も好酸球増多をきたさなかった.抗ヒトγAウサギ血清, 抗ヒトγAウサギ血清・ヒトγA結合物, ヒトγA, 抗ヒトγAウサギ血清, 抗ヒトγAウサギ血清・ヒトγA結合物の aggregate したものでも, 好酸球増多はみられなかった.4)抗ヒトγEウサギ血清で著しい好酸球増多がみられた.未稀釈原血清では全例, 10倍稀釈血清では50%が陽性であった.この陽性反応の頻度は extrinsic のアレルギー, intrinsic のアレルギー, 健康人で差がなかった.抗血清の濃度が高くなると好酸球反応も強くなるようであった.この好酸球反応は抗ヒスタミン剤の投与の影響もうけず, 抗ヒトγEウサギ血清による皮内反応の強さとも関係がなかった.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 20 (5), 365-371,415, 1971

    一般社団法人 日本アレルギー学会

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