ラット好中球のロイコトリエン類産生に及ぼす食餌のα-リノレン酸/リノール酸バランスの影響

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タイトル別名
  • EFFECT OF DIETARY ALPHA-LINOLENATE/LINOLEATE BALANCE ON THE FORMATIONS OF LEUKOTRIENES IN RAT POLYMORPHO-NUCLEAR LEUKOCYTES

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抄録

α-リノレン酸(18:3, n-3)を多く含むシソ油食とリノール酸(18:2, n-6)を多く含むサフラワー油食を与えたラットの腹腔から多形核白血球(PMN)を採取し, PMNの脂肪酸組成およびcalcium ionophore刺激によって産生されるslow reacting substance(SRS), leukotrieneB(LTB)を定量した.PMNの総リン脂質の脂肪酸組成は, サフラワー油食群と比べてシソ油食群においてアラキドン酸が28%減少し, アイコサペンタエン酸(20:5, n-3)が有意に増加した.PMNによって産生されるLTB_4は, サフラワー油食群と比べてシソ油食群で26%減少(p<O.01)し, アイコサペンタエン酸由来で生物活性が非常に弱いLTB_5が産生された.モルモット回腸を用いたbioassayでは, サフラワー油食群と比べてシソ油食群でPMNから遊離されるSRS活性が37%低かった(p<O.01).これらの結果から, 食餌のα-リノレン酸/リノール酸の比を高めることによってアラキドン酸由来のSRS及びLTB_4の産生を抑制し, アレルギー疾患および炎症などの症状を軽減できる可能性があることを示した.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 37 (3), 157-165, 1988

    一般社団法人 日本アレルギー学会

被引用文献 (7)*注記

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