重症難治性喘息患者における末梢血好中球分画からのロイコトリエン産生能に関する検討

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  • PRODUCTION OF LEUKOTRIENES AND SUPEROXIDE FROM NEUTROPHIL-RICH FRACTION OF BRONCHIAL ASTHMATICS

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抄録

重症難治性喘息における好中球の役割を明らかにする目的で, 末梢血好中球をpurify(≧95%)し, 非免疫学的あるいは免疫学的刺激を加えた際のLTs産生能をHPLCにて定量し, 同時にsuperoxide産生能も測定した.その結果, Ca I刺激では健常人に比し喘息群でLTC_4, D_4, B_4の産生能がいずれも有意に亢進しており(p<0.01), 特に重症難治群では非難治群に比しLTC_4の産生能が著名に亢進していた(p<0.05).一方, 抗IgE抗体の刺激ではLTsの産生はほとんど認められなかったが, 抗IgG, ZAS刺激では重症難治群でLTC_4産生能が亢進する傾向であった.また, Con A刺激によるsuperoxide産生能は, 健常人と非難治群の間には差はみられなかったが, 重症難治群では有意に亢進していた(p<0.005).かかるsuperoxideとLTs産生能の間にはr=0.61の相関がみられた.以上, 重症難治性喘息の病態には, 好塩基球・肥満細胞系からのhistamineよりも, むしろ気道反応局所に多数出現する好中球をはじめとする炎症細胞から産生されるLTs, superoxideなどの化学伝達物質の役割が重要であると思われた.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 37 (6), 322-330, 1988

    一般社団法人 日本アレルギー学会

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