成人気管支喘息患者におけるネコアレルゲンの臨床的重要性について : 吸入誘発試験の成績

DOI
  • 前田 裕二
    国立相模原病院リウマチ・アレルギーセンター臨床研究部内科
  • 村上 恵理子
    国立相模原病院リウマチ・アレルギーセンター臨床研究部内科
  • 秋山 一男
    国立相模原病院リウマチ・アレルギーセンター臨床研究部内科
  • 長谷川 眞紀
    国立相模原病院リウマチ・アレルギーセンター臨床研究部内科
  • 早川 哲夫
    国立相模原病院リウマチ・アレルギーセンター臨床研究部内科
  • 金子 富志人
    国立相模原病院リウマチ・アレルギーセンター臨床研究部内科
  • 宮本 昭正
    国立相模原病院リウマチ・アレルギーセンター臨床研究部内科

書誌事項

タイトル別名
  • CLINICAL SIGNIFICANCE OF CAT ALLERGENS IN ADULT ASTHMATICS : A Study of Inhalation Provocation Tests

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抄録

ネコに感作されている40例の成人喘息患者を対象としてネコの喘息における臨床的な意義を検討するために吸入誘発試験を行った. 即時型 (IAR) および遅発型 (LAR) いずれかの反応は40例中29例にみられた. IARのみがみられた例は12例 (30%), LARのみは7例 (17.5%), ニ相性反応 (DAR)は 10例 (25%), 反応がみられなかった例は11例 (27.5%)であった. 各反応群における年齢, 吸入前 FEV_<1.0>%,%MMF, ネコ上皮へのRASTスコアおよびアセチルコリンによる気道過敏性の閾値の常用対数値はいずれの2群間においても統計学的には有意差はみられなかった. ネコとの接触歴がLAR群ではl4%と他の2群 (DARでは78%, 無反応群では70%)よりも有意に低い率であった. ラストスコアが高くかつ気道過敏性が亢進している例は他の二群よりもDAR群に多くみられた. 喘息反応はネコとの接触歴がある患者では15/22 (68.2%)に, 接触歴のない例では10/16 (62.5%)にみられ出現率は同じであった. 以上の成績から小児のみではなく成人においてもネコアレルゲンは重要であると考えた.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 43 (10), 1248-1255, 1994

    一般社団法人 日本アレルギー学会

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