アトピー性皮膚炎 (AD) 患者宅におけるダニ相とダニ対策による臨床症状の変化に関する研究

• 久米井 晃子

  東京女子医科大学衛生学公衆衛生学教室

書誌事項

タイトル別名

• INVESTIGATION OF MITES IN THE HOUSES OF ATOPIC DERMATITIS (AD) PATIENTS, AND CLINICAL IMPROVEMENTS BY MITE ELIMINATION

抄録

東京周辺のAD患者157名について, methylene blue agar (MBA) 法によって, 患者宅のダニ相とその季節消長を検討した. その結果, ダニはカーペット, 畳及び畳の下に多く検出され, ほとんどの場所では夏季を中心に増加する傾向を示した. しかし, ソファー, 座布団などでは冬季に増加していた. 一方, 防ダニ製品ではダニが少なかった. ダニ相のデータに基づいて集学的ダニ対策を難治のAD患者34名に勧め, 1又は2年後の同じ月±1ヵ月の時期に, 同季節のダニ相と臨床症状の変化を検討した. 34例中17例において十分にダニ対策が実施され, その場合ダニ数が30%以下に減少した率は82%, 臨床症状の改善率(著明改善+改善)は88%であった. 全治に近い症例が7例存在した. ダニ対策が不十分な12例又は, ほとんど実施されなかった5例合計17例では, 臨床症状の改善率は35%であった. 以上から, ADが難治の時, とくにダニアレルギーが明瞭な場合は, ダニ相の検査と十分なダニ対策が有効な原因療法と考えられた.

収録刊行物

• アレルギー

  アレルギー 44 (3-1), 116-127, 1995

  一般社団法人 日本アレルギー学会

キーワード

• atopic dermatitis (AD)
• Dermatophagoides
• mite allergy
• mite elimination
• mite fauna

詳細情報

• CRID: 1390282679955157248
• NII論文ID: 110002423265
• NII書誌ID: AN00012583
• DOI: 10.15036/arerugi.44.116
• ISSN: 13477935
• ISSN: 00214884
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/1996079097
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可