アトピー性皮膚炎における抗 Malassezia Furfur IgE抗体価および顔面・頚部の皮疹との関係について

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タイトル別名
  • THE CORRELATION BETWEEN THE LEVELS OF ANTI-MALASSEZIA FURFUR IgE ANTIBODIES AND SEVERITIES OF FACE AND NECK DERMATITIS OF PATIENTS WITH ATOPIC DERMATITIS

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抄録

アトピー性皮膚炎 (以下AD) 患者では, 特に思春期以降顔面・頚部を中心とした脂漏部位に皮膚炎が出現, 増悪することはよく知られているが, 近年癜風の起因菌として知られる Malassezia furfur (以下MF) の皮膚炎発症への関与が示唆されている. 我々は, 当科アトピー外来を受診した思春期以降のAD患者123名の抗MFIgE抗体価を酵素抗体法(AlaSTAT法)にて測定し, 総IgE値, 各種特異IgE抗体価との相関および顔面・頚部の皮疹の重症度との相関を検討した. 結果, AD患者群では, 抗MFIgE抗体価を高率(77%)に認めたが, コントロール群では全例で認め得なかった. また抗MFIgE抗体価は総IgE値およびカンジダRAST値と有意な相関を示し, ダニ, ハウスダストとは相関を示さなかった. さらに, 顔面・頚部皮疹の重症度との相関も認められた. 以上より, 成人型ADの顔面・頚部の皮疹の出現, 増悪にMFの関与が示唆された.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 44 (3-1), 128-133, 1995

    一般社団法人 日本アレルギー学会

被引用文献 (9)*注記

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参考文献 (13)*注記

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