スギ花粉特異的IgE抗体および総IgE抗体の産生, 並びに花粉症症状の発現に関する要因の小学生集団における横断的研究

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タイトル別名
  • A CROSS-SECTIONAL STUDY OF FACTORS ASSOCIATED WITH PRODUCTION OF JAPANESE CEDAR POLLEN SPECIFIC IgE ANTIBODY AND TOTAL IgE ANTIBODY, AND SYMPTOMS OF JAPANESE CEDAR POLLINOSIS IN PRIMARY SCHOOL CHILDREN

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抄録

一農山村の小学校児童全員(405人)を対象としてスギ花粉による感作およびスギ花粉症の頻度および危険要因を明らかにする目的で質問票と血清検査による横断的検討を1994年4月に行った. スギ花粉特異的IgE抗体(スギ抗体)陽性者はCAP-RASTスコア1以上が39%, 2以上が35%であった. スギ花粉症有病率はスギ抗体陽性者で確定的症状の者(3・4月に3週間以上症状の続く者)が8%, 疑い症状の者(持続期間は不問)が22%であった. 総IgE抗体価が基準値を越える(250U/ml以上)者は26%であった. スギ抗体価と総IgE抗体価には強い正の相関がみられた. 本人や家族のアレルギー疾患の病歴は, スギ抗体価よりも総IgE抗体価との関連が強く, また, スギ花粉症症状よりもスギ花粉症以外のアレルギー様症状との関連が強かった. 家族による間接喫煙と石油ストーブの使用は, スギ抗体高度陽性と負の関連がみられたが, 中等度陽性では関連がみられなかった. アレルギー素因と喫煙習慣が関連することによる交絡のほか, 鼻粘膜におけるアレルギー反応の特殊性を考慮する必要もあると考えられた.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 44 (12), 1361-1368, 1995

    一般社団法人 日本アレルギー学会

被引用文献 (9)*注記

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参考文献 (27)*注記

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