野外比較試験によるスギ花粉症に対するエバスチンの臨床効果

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タイトル別名
  • CLINICAL EFFICACY OF EBASTINE UNDER PLACEBO-CONTROLLED OUTDOORS CLINICAL STUDY ON CEDER POLLINOSIS
  • ヤガイ ヒカク シケン ニ ヨル スギ カフンショウ ニ タイスル エバスチン ノ リンショウ コウカ

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抄録

スギ花粉飛散期におけるエバスチンの効果および発現時期,持続性の検討を行うために,2000年3月5日,周囲を多くのスギ林に囲まれた宇都宮市森林公園にて野外比較試験(single blind)を実施した.試験当日は快晴に恵まれたこともあり,公園内の測定で235個/cm^2と大量のスギ花粉が飛散した.特に投薬を行った10時からの2時間は1時間に50個/cm^2を越える大量のスギ花粉が飛散し,この期間におけるプラセポ内服群の鼻症状は急激に悪化した.エバスチン内服群においてはこのスギ花粉大量曝露下の内服後2時間目からすでに症状改善傾向を認めた.またその効果は,24時間後の翌朝10時まで持続して認められた.エバスチンは,スギ花粉飛散期の大量曝露下における症状を即効性をもって抑制し,その効果は1日1回の内服により24時間得られるものと考えられた.また野外比較試験は,スギ花粉飛散期に行うことにより患者の症状を自然経過のまま観察,評価することが可能であり,抗アレルギー薬を含むさまざまな花粉症治療の臨床効果判定に有用であることが示唆された.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 51 (4), 357-363, 2002

    一般社団法人 日本アレルギー学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (11)*注記

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